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H24司法試験再現の場

H24司法試験を受験しました。 再現答案を載せるためのブログです。

合格発表

合格していました。

連絡した人たちが本当に喜んでくれて…
色々な人の思いに支えられていることを実感しました。

これから、その思いに応えられるような法曹にならなければ。

みんな本当にありがとう。
背筋を伸ばして頑張ります。

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再現の精度

こんばんは。
誰も見ないだろうな,と思いながら作ったのに,アクセスが増えてきて驚いていますΣ(゚∀゚)


このブログをたまたま見つけた友人が,再現の精度についてもうちょっと説明しろとアドバイスをくれました^^

ということで,二点補足です。


1 お化粧について

意識的に盛ったり訂正した部分はありません。
ですから,書いたテーマ・項目,論理の流れは全て本試験通りです。
直したい箇所が多々あるのは言うまでもありません(泣)

「可能な限り」と言ったのは,てにおは等のひらがな部分には違いが出てしまうこと,
日本語がどうしても整理されてしまうこと,は否定できないと作成中に感じたからです。

構成は詳しめですし,本番のこともよく覚えているので,再現度はかなり高いと思います。
おおざっぱにいって,
何も書いていないところ=90-95%
再現度低めと書いている個所=80-90%
という感じです。

ただ,時間のない現場では整理よりも書ききることを優先します。
そのため,再現の方が字数が減ることは避けられないと感じています。


2 作成時期について

作成した時期は,5/22‐25の四日間です。
当初はブログを作ることを考えていなかったので,アップは1ヶ月後になっていますが。
もちろん,作成時のデータをそのまま貼ってあります。

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友人は答案の文章+試験後に話していた内容でわかったそうで,恐る恐る聞いてきた(笑)。
やっぱりみんな気になっているんだなぁ。

僕はネット上の再現は見ていない。
他のこと手につかなくなったら困るから(笑)
本試験の問題は今も考えたりしているけど。


>他のリアル友人どもへ
もし僕だとわかってもそっとしといてね(・ω・)


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このブログについて

ご訪問ありがとうございます^^

ロースクール未修コース出身。今年卒業&1回目の受験です。

ローの授業を中心に勉強してきました。
予備校はほぼ利用せず,直前の全国模試のみ受講。

再現については,可能な限り,盛らない努力?をしています。
覚えているところは,表現のぐちゃぐちゃ感も出したつもりです。
ただ,どうしても日本語が整理されてしまう部分はあると思います。


リンクフリー&コメント歓迎です♪
特に本年の試験内容について建設的な検討を行うものについては,
時間と能力の許す限り,お答えしたいと思います。
逆に悪意を感じるものはスルーするかもしれません(笑)

私も多くの受験生ブログに示唆を受けました。
何かしらお役に立てばとても嬉しいです^^


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H24公法系 第1問

公法系 第1問

第1 設問1について
1 提起すべき訴訟について
 B村によるA寺に対する助成金の支出は,憲法20条1項・3項,89条前段が規定する政教分離に違反する違法な公金支出であるとして,地方自治法242条1項が規定する住民監査請求をした後に,同法242条の2第1項第4号に基づき,B村村長に対し,A寺に不当利得返還請求をするよう求める住民訴訟を提起すべきである。

2 憲法上の主張について
 本件助成金の支出は,憲法(以下省略)20条1項・3項,89条前段が規定する政教分離原則に抵触する。

⑴ 政教分離は国家の宗教的中立性を要求するものであるが,国家と宗教の完全な分離は不可能であるから,20条3項が禁止する「宗教的活動」とは,文化的・社会的にみて相当と認められるかかわり合いは許容する趣旨と解される。
 そして,当該行為が許される限度のかかわり合いであるかどうかは,その行為の目的が宗教的意義を有し,その効果が特定の宗教の援助・助長・促進または圧迫・干渉となるかどうかによって決するべきである(目的・効果基準)。目的・効果を判断するに当たっては,行為の外形的側面のみならず,行為の宗教的性格,具体的な助成態様,これらに対する一般人の評価を考慮して行う。
 もっとも,政教分離規定は少数者の信教の自由の保護にとって欠かせないものであるから,これらの判断は慎重になされなければならない。

⑵ 本件で問題となる行為は,A寺に対する助成金の支出であるから,行為の宗教性は,A寺及び墓地の宗教的性格の有無によって決せられる。

ア A寺はC宗の末寺であるから,客観的に宗教的施設としての寺院といえる。そして,釈迦の誕生日を祝う灌仏会という仏教の行事が行われている。また,本堂の建築様式も一般的な寺院のものであって,観音菩薩像が祀られており,日常的に礼拝供養といった宗教的儀式が行われているというのである。これらの事情からすれば,A寺が宗教的性格を有する施設であることは明らかである。

イ 次に,墓地についても,宗旨・宗派は問わないという宣伝をしてはいるものの,実際はC宗の典礼方式で埋葬・埋蔵を行うことを強制されるのであるから,無宗教の共同墓地という評価は到底出来ず,C宗という特定宗教の墓地というべきで,その宗教的性格を疑う余地はない。

ウ そして,B村村長は,補正予算審議の際にA寺が「村の唯一の『お寺』」であることを理由として挙げているから,A寺の宗教性について明確な認識があったと考えられ,本件助成の目的には,A寺及びその墓地という仏教の施設に対する援助すなわち宗教的意義があったというべきである。

⑶ 本件助成の態様は,墓地・本堂・庫裏を合わせると合計7500万円にも及び,人口1000人のB村においては,その予算規模も小さいことが想定されるから,相当の支出割合を占めると思われる。また,再建に必要な費用のうち半分もしくは1/4が本件助成金で賄われている。
 そうすると,村立小学校や主要産業の関連建物さえ焼失した状況にあって,A寺という特定の宗教施設あるいはC宗という特定の宗教に対し,特別に大規模な助成をすることは,一般人の目からみて,その効果がA寺あるいはC宗に対する援助・促進効果を有することが明らかであるといわなければならない。

⑷ 以上から,本件助成金の支出は,その目的が宗教的意義を有し,その効果が特定の宗教に対する援助・促進となるものであるから,相当とされるかかわり合いの限度を超え,20条3項の「宗教的活動」に該当し,違憲である。

第2 設問2について
1 本件助成金の支出が,憲法20条1項・3項,89条前段の政教分離規定との関係で問題となること,20条3項の「宗教的活動」に該当するかどうかを判断するに当たっては,津地鎮祭最高裁判例が用いた目的・効果基準によるべきであることは原告主張のとおりである。
 ここで,近時最高裁は,空知太神社事件・富平神社事件において,目的効果基準によらず総合判断を行ったことから,批判の強かった目的効果基準を放棄したという見方もありうるところである。しかしながら,これらの事件は長期間継続的に宗教団体に土地の無償貸与がなされていた事案であって,どの時点の目的・効果を問題とするべきかが不明であるという意味で目的効果基準になじまないものであったことが総合判断を採用した理由と考えられる。また,考慮要素として,当該施設の性格,無償貸与に至った経緯,その態様,これらに対する一般人の評価を挙げており,これらは目的効果基準における考慮要素と実質的に変わりがないと考える。そうすると,最高裁は目的効果基準を放棄したわけではなく,空知太・富平両事件は,事案に即した解決を志向したものと理解すべきである。現に,さらに後の白山ひめ神社事件においては,目的効果基準を用いて判断を行っている。
 以上から,原告主張の基準および考慮要素に従って,本件助成金の支出が20条3項の「宗教的活動」に該当するかどうかを判断する。

2 本件における最大の争点は,A寺及び墓地の宗教的性格の有無にある。B村は,下記のようにA寺及び墓地の宗教的性格は極めて希薄であり,世俗的な施設に過ぎないと強く反論するであろう。

⑴アまず,A寺は元々庄屋を務めていた村一番の長者によって創建されたもので,建立の経緯に宗教的意義はみられない。そして, B村の2/3の世帯がA寺の檀家であることに加え,檀家以外の村民の多くもA寺の行事に参加していること,また,悩みごとの相談等宗教的意義が全くないことも行い,多くの参加があることから,A寺は村民のコミュニティの中心施設であり,その宗教的性格は極めて薄く,むしろ公共的施設というべきである。

イ 次に,墓地についても,村の唯一の大きな墓地であり,多くの村民のお墓が実際に建立されていること,墓地が先祖供養という特定の宗教的色彩を越えた人倫の大本といえる行為の場であることからすると,やはりその宗教的性格は薄く,世俗的・公共的施設といえる。

⑵ 確かに,本件の事情に照らせば,A寺がその宗教的性格から離れた公共的施設としての意味を持っている点は否定できない。

ア しかしながら,本件助成は,「村の唯一の『お寺』」であることに着目して行われているから,A寺がC宗の末寺としての寺院であること,すなわちその施設の宗教的性格に着目して行われている点を看過すべきではない。

イ さらに,A寺がB村村民の交流の場として公共的役割を担ってきたことは確かであるが,この機会に公民館等の宗教的に中立である施設を建設することで代替可能であって,あえてA寺がその役割を持ち続けなければならない理由はない。そうだとすると,この点を強調してもA寺の建築様式や仏教的行事,観音菩薩像の安置等にみられる宗教的性格,およびA寺に対する助成の宗教的意義を払しょくすることはできないというべきである。
また,檀家の数がB村のほとんどの世帯を占める点は,政教分離違反とならない理由としては不適切というほかはない。政教分離規定は少数者の信教の自由を確保するための制度であるから,多数者が賛同しているからといって行為の宗教性が否定されるわけではないからである。

ウ このように考えると,墓地についても,村民の多数がお墓を建立しているからといってその宗教性を否定できるわけではない。むしろ,C宗の典礼方式が事実上強制されていた点が重視されるべきである。そうすると,原告主張の通り,公共の共同墓地という評価は到底出来ず,C宗という特定宗教の埋葬施設とみるべきと考える。
なお,先祖供養が人倫の大本であるというB村の反論は到底採用できない。何が人倫にあたるのかを決めるのは各宗教の教えであるところ,先祖供養が人倫の大本であるという主張は,そもそも仏教や神道を前提とした説明といえるからである。

エ 以上から,A寺および墓地の宗教的性格は否定できないと考える。

⑶ そうすると,原告主張の通り,本件助成の態様は非常に大きなものといえるから,A寺あるいはC宗という特定の宗教に対する援助・助長効果があるという一般人の評価は避けがたい。

⑷ よって,本件助成は憲法20条3項の禁ずる「宗教的活動」にあたり,違憲となる。

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憲法はとにかく大失敗をしないことが目標。

ん?政教分離一本??
…本当にこれだけでいいのだろうか。。。

終わってしまえば何とでも言えるけれど,現場ではかなり色々迷った。
ざっくり挙げると,この三点。

①規範レベルで争点をつくるかどうか
②政教分離の適用条文をどうするか
③本堂・墓地・庫裏を区別するかどうか

①②は要するに空知太の理解の問題。
理解も固まっていないところだし,何が正解というわけではないと思う。
ただ,89条の解釈にのせなかった理由は書くべきだった。

③は庫裏について少し言及はすべきだった,と反省。


他にもいろいろあるけれど,結局うまくまとめ切れなかったという印象。
少し残念な科目。

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H24公法系 第2問

公法系 第2問

第1 設問1について
1 平成20年大法廷判決について
 平成20年大法廷判決が判例を変更し,土地区画整理事業の計画決定に処分性を認めた理由は,以下の2点にある。①土地区画整理事業においては,一旦計画決定がされると特段の事情がない限り換地処分がなされるのが通常であるから,計画区域内の土地所有者は,計画決定によって換地処分を受ける地位に立たされる。②換地処分の段階で初めて処分性を認めると,取消訴訟を提起しても事情判決(行政事件訴訟法(以下,「行訴法」という)31条)が下される可能性が高く,救済の実効性に欠けるおそれがある。
 すなわち,いわゆる青写真判決と対比すれば,①において,土地区画整理事業の計画決定は青写真ではなく,具体的な法的地位に変動が生じるとし,②において,救済の実効性の観点から,計画決定の段階で紛争の成熟性を認めたものと考えられる。

2 本件計画決定の法的効果
⑴ 本件計画決定に平成20年判決の理由が妥当するか。
 本件計画決定は,都市計画法上の道路にかかる計画である。そして,道路に係る都市計画は,計画決定,事業認可,収用という順に進行するが,このうち事業認可と収用が,土地区画整理事業における計画決定と換地処分に対応する。
 もっとも,平成20年判決の理由①は,プロセスの数に着目したものではないから,道路に係る都市計画において,一たび計画決定がされると,特段の事情がない限り事業認可がなされるといえれば,計画決定によって収用がなされる法的地位に立たされるということができ,平成20年判決の射程内にあるといえる。
 しかし,都市計画法上,事業認可の要件は,申請手続が適法であること,事業内容が計画に適合し試行期間が適切であること,にとどまり,計画決定からの期間が定められているわけではない(61条)。そして,その他の規定からも,計画決定があれば事業認可が確実になされるという仕組みを読みとることはできない。現に本件でも,計画決定から40年以上が経過してなお事業認可はなされていない。そうだとすると,計画決定によって収用を受ける法的地位に立たされるということはできないと考える。
 したがって,本件計画決定に,平成20年判例の理由①は妥当しない。

⑵ そうだとしても,本件計画決定がもたらす直接の法的効果に着目して処分性を認めることはできないか。
 確かに,計画決定は,収用へと続くプロセスの中間的行為に過ぎない。そして,事業認可によって生じる制約(65条)と計画決定によって生じる制約(53条)とを比較すると,制限の種類等の質的な違いがあり,前者の方が厳しい制約といえる。そうすると,都市計画法は,計画決定に処分性を認めない趣旨とも考えうる。
 しかしながら,計画決定の段階においても,建築制限を受け(53条),54条各号以外の場合に許可が得られるかどうかは裁量に委ねられるものと解されるから,自己の完全な所有権の実現が妨げられるという法的不利益を受ける。のみならず,53条の制限に違反すると,中止・除却等の是正命令を受ける可能性があり(81条1項柱書,同項1号),これに違反すると刑罰を科せられる(91条)。
 そうすると,計画決定の段階で,計画区域内の所有者は,その所有権の実現を罰則によって妨げられる地位に立たされているから,その具体的な法的地位に変動があるというべきである。

⑶ では,平成20年判決の理由②との関係はどうか。
 事業認可は土地区画整理事業の換地処分とは異なり,この段階で取消判決を出しても事業全体やその他の利害関係人に与える混乱は少なく,事情判決が出る可能性が高いとまではいえない。この意味で,平成20年判決の理由②がそのまま妥当するとはいえない。
 しかしながら,本件においては,別の理由で紛争の成熟性を認めるべきと考える。なぜなら,本件のように,計画決定の後,長期間事業認可がされないままである場合,計画決定の段階で処分性を認めなければ,計画区域内の土地所有者は,いつまでも抗告訴訟によって争うことができず,⑵で述べた地位に立たされ続けることになる。そうすると,実効的な救済を可能にするためには,計画決定の段階で処分性を認める必要がある。
 したがって,平成20年判決とは異なる理由で,救済の実効性の観点から,紛争の成熟性を認める必要があると考える。

⑷ 以上⑵⑶から,本件計画決定は,抗告訴訟の対象となる処分にあたると考える。

第2 設問2について
1 適法とする法律論
 都市計画の策定には,様々な社会的・経済的事情を基礎とした政策的判断が要求されるから,いわゆる計画裁量として極めて広範な裁量が認められる。このことは,13条1項柱書が「…都市の特質を考慮して…健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを一体的かつ総合的に定めなければならない」と抽象的に規定するにとどまり,何ら具体的な指針を明示していないことからも明らかである。また,同条1項11号は「現状及び将来の見通しを勘案して」と規定するが,ここでもその判断にあたっては裁量が広く認められるものと解される。
 そして,21条1項の「変更する必要が明らかとなったとき」の要件該当性判断においても同様の理由から広範な計画裁量が認められるものと解されるから,計画の存続が21条1項に反し違法となる場合は,極めて限定的に考えられるべきである。

⑴ 本件において,計画が進行しないまま存続されているb地点とc地点との間の交通需要は,2030年には2010年比で40%増加することが推計されている。計画の存続は将来のこの交通需要に応じるためのものであるから,まさに計画裁量が考慮する政策的判断の結果である。

⑵ また,c地点の付近の地元事業者の主張を取り入れ,本件区間の整備を必要と判断することも,計画裁量の範囲内といえる。

⑶ さらに,計画を変更すればこれまでの運用に反して道路密度が過少になる点についても,本件区間のみ例外を認める必要性に乏しい以上,裁量を逸脱したものとはいえない。

⑷ 適法であるとする場合には,以上のような点が考慮されると考えられる。

2 違法とする法律論
 これに対して,違法とする場合には,以下のように考えることになろう。
 まず,都市計画に計画裁量自体が認められることは否定できないが,計画裁量といえども裁量の逸脱が認められる場合には違法となる(行訴法30条)。そして,本件のように行使すべき権限を行使しない場合にあっては,法令の趣旨目的を勘案して具体的状況の下で著しく不合理といえれば,裁量権の逸脱が認められるというべきである。そして,その判断にあたっては,計画裁量といえども法の趣旨目的を実現するために与えられた裁量であることに変わりはないから,判断過程についても審査が及ぶと考える。
 本件では,この要件を満たした場合には21条1項が規定する「変更する必要が明らかとなった」に該当し,変更なく存続させていることが違法の評価を受けると解される。

⑴ 21条1項は6条1項の都市計画に関する基礎調査の結果を前提としているから,その調査結果によっては,裁量判断を許さずに「変更する必要が明らかとなった」にあたる場合があることを想定していると解される。
 本件では,Q県が5年ごとに行っている都市計画に関する基礎調査が6条1項の調査にあたる。そして,これによれば,c地点付近には空洞化現象がみられ,本件区間の交通量は1990年から2010年までの間減少傾向にあるというのであるから,もはや計画を存続させる必要はない。このことは,Q県自身が人口減少や低成長を前提として道路に係る都市計画を全面的に見直すことにしている点からも明らかである。
 したがって,計画裁量があるとしても,21条1項の「変更する必要が明らかとなった」場合にあたる。

⑵ Q県は本件区間においてなお計画を存続させるべき理由として,地元の声と道路密度の問題を挙げている。
 しかし,地元の主張については,都市計画法が認めている計画裁量は,あくまで「都市の健全な発展と秩序ある整備」(1条)の実現のためのものであるところ,ここでの健全な発展とは全体的なものと解され,一部の地元事業者の声を不当に重視することは,裁量外の他事考慮である。そして,この他事を重視した結果,計画変更がなされていないのであるから,判断過程を誤った結果,著しく不合理な判断がなされているから,裁量権を逸脱する。

⑶ さらに,道路密度の点については,これまでの運用にすぎず,都市計画法上の要請とは何ら関係はない。確かに,計画裁量によって運用も正当化されうるが,それは都市計画法の趣旨目的にのっとった運用である場合に限られる。しかるに本件では,Q県全体としては道路に係る都市計画の見直しを進めながら,本件区間においてのみ計画を存続させることを正当化するための理由として道路密度の運用を挙げることは不適切である。

⑷ 以上から,本件の状況において,本件区間について計画を存続させることは都市計画法が認める計画裁量を逸脱している以上,21条の「変更の必要が明らかとなった」場合にあたり,存続は違法である。

第3 設問3について
 本件計画の存続が適法である場合,Pの支払請求の法的根拠は損失補償である。
⑴ 都市計画法上,損失補償の根拠規定はないが,憲法29条3項が損失補償の具体的な根拠規定となると解される。

⑵ では,本件のPに補償が必要な特別の犠牲があるといえるか。
 特別の犠牲の有無は,規制の対象が特定人か一般人か(形式的基準)と,規制の強度が財産権の本質を侵害するほど強度なものか受忍限度内か(実質的基準)によって判断される。

ア 本件において,本件計画による建築制限はPという特定人のみならず本件区間の土地所有者全員について生じている。また,その制限は54条の制約にとどまり,鉄骨2階建ての住宅であれば,同条1項3号によって建築許可がされる可能性がある以上,財産権の本質を侵害するほど強度なものとまではいえないとも考えられる。

イ しかし,P個人だけが受ける制約ではないにしても,本件区間は全長7500メートルほどの限定された区間であって,その規制を受ける者も相当程度特定されているというべきである。
 また,Pが立てようとしている鉄骨2階建ての住宅は,階数が二以下であるという点では54条1項3号イの基準に該当するように見えるが,「容易に移転,または除却することができるもの」には当たらないと考えられるから,実際は許可を受けることができないとみるべきである。すなわち,同条の基準によれば,住宅の建築は不可能になると考えられるから,土地所有権の本質を侵害する強度の規制であるということも可能と考える。

ウ したがって,特別の犠牲に該当し,損失補償が必要な場合にあたると考える。

⑶ 補償の範囲は相当な限度にとどまると解されるが,ここで相当な補償とは,問題となっている規制の前後を比べて請求者の財産状態を等しくするようなものをいうと解すべきであるから,Pが主張している本件建築制限による地価低落分はこれにあたる。

⑷ したがって,Pの請求は認められると考える。

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設問2の再現率はやや低め。記述のポイントは同じだが,もう少しごちゃごちゃ書いていた。

設問1は処分性否定が無難と感じつつ,肯定も可能な事案だし,その方が面白いと思った。
上手く説明できているかは不明。

処分性を否定しても確認訴訟は可能かもしれない。だけど訴訟物が特定できているのか?という疑問もあった。
怖くて書いてないけど(笑)

損失補償は正直苦手なので,配点が低いのを良いことにほとんど時間をかけず。
その場で分かることだけを短く書いた。


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